測定日:2017年11月29日 11:30~ 16:30 晴れ 北西の風1~6m
測定地:茨城県つくば市筑波
測定方法 HSF-1(シンチレーション)、地上高5cm を歩行による移動測定、地上高5cm・50cmの定点測定
移動測定 平均空間線量 0.054 μSv/h
筑波山は高校生の遠足以来です。ずいぶん楽な山だという記憶だったのですが、今回はずいぶん険しい山でした(笑) 平日にもかかわらず、山のいたるところが人で賑わっていました。観光地として人気のある場所のようです。
男体山と女体山の山頂付近の詳細地図です。筑波山全体は、非常に低空間線量ですが、山頂の二つのピーク部分だけで何箇所かのホットスポットがありました。福島からの放射性プルームは山頂に接触して通り過ぎていったのでしょうか? なんとも不思議な気がしました。
特に女体山側の山頂直下の上り口はかなりの高線量なので、注意したいポイントです。
《 定点測定 》
筑波山の北方面の景観が広がっています。ここでは、保育園の子どもたちも遊んでいました。空間線量はそれほどでもありませんが、右のグラフにはセシウム137のピークが見えます。
ケーブルカー駅から山頂まで15分とありましたが、けっこう大変な登り道です。道の中央を歩けば、空間線量は落ちますが、道端や笹藪の中は、0.1μSv/h以上になります。
山頂は石材とコンクリートで固めてあり、空間線量は非常に低いのですが、土が見えるところの空間線量は上がります。ここは山頂のちょっと下の通路脇です。セシウムのカウントが48もあります。6年8ヶ月経ってこの数値、事故後はかなりの空間線量だったのでしょう。
写真2の通路を挟んだ少し上の平らな部分。土と枯葉、石がごろごろしています。当会の基準で言えばホットスポットです。ここでは、決められた通路から外れなければ無用な被爆を避けられると思います。
男体山を下って、今度は女体山を登ります。大きな岩と岩の間にわずかにある土にセシウムがたまっていました。空間線量に対してセシウムカウントが高いです。土壌を測ったら、写真4より(空間線量は低いが)高くでそうです。
あと10mも登れば山頂というところ、ちょっと開けた所で、お弁当を食べる人や一休みする人など多くの人が寄っていました。ここは、ごらんのとおりホットスポットです。男体山より女体山のほうが汚染はひどいようです。
岩だらけの狭い山頂は、人で大混雑、東~南方面が一望できます。足がすくむような高さですが、人目もはばからず、矢印のところまで滑り降りて測定しました。先ほどの上り口からすれば、空間線量はかなり低い、さすがにセシウムも風雨に洗われたようです。滑り降りた壁面は登れませんが、ここからぐるりと山頂を巡って岩場をよじ登り、山頂に戻りました。
女体山を離れると空間線量はぐっと下がります。女体山~つつじヶ丘のロープウェイ駅の間には、さまざまな名前がつけられた大岩があり、ここもそのひとつ。ここの岩からは自然放射線が出ていないので、測定は非常に楽です。
ここでお弁当を食べました。眺めもいいし、線量もチョー低いし安心スペースです。
ごつごつ岩ばかりの道をやっとここまでたどり着きました。ここは比較的平地、空間線量も低いのですが、しっかりとセシウム137のピークも見えます。こうした場所の土壌を測定すると数百Bq/kgもあったりします。
やっとつつじヶ丘駐車場に到着、全体がアスファルト舗装なので、駐車場の測定はしていません。わずかにある芝生地での測定です。
ふつうならここで終わりなのですが、車がケーブルカー駅側に停めてあります。バスを使おうか、歩こうか迷いましたが、歩くことにしました。観光地図には70分コースとあります。
ロープウェイ駅~筑波山神社までの山道、全体が石の階段状の通路です。こうした道はひざに来ます。どうりで誰もいないはず、ひどい道です。下り道ながら、後悔しながら歩きました。空間線量は非常に低く、筑波山は山頂部分だけが汚染され、他はそれほど放射能は降らなかったと結論しました。
それにしても、日没までに山を抜けられるか心配しながら歩いています。石段の下り道は本当にキツイ!初めて、右ひざが痛くなりました。
筑波山神社に着いたのは日没寸前、走れメロス状態でした。あたりは薄暗くなっています。神社全体にしかれた白い砂利と石材のせいで空間線量が高いとばかり思っていましたが、グラフにはセシウム137のピークも見えました。でも、この線量は自然放射線の影響です。
《まとめ》
筑波山は山頂の男体山、女体山の山頂部分の空間線量が高く、ホットスポット(地表5cm高0.23μSv/h以上)が点在します。それ以外の部分は、比較的空間線量も低く、放射能に関しては問題がありません。また、決められたコースの道を歩いていれば、山頂登山もそれほど問題ありません。
コース全体に岩場や石が多く、おまけに階段になった部分が多い。山歩きに慣れていない私たちにとっては、とても歩きづらい山でした。それでも多くの人が訪れているのは、それなりの魅力があるのかもしれません。
埼玉県人にとって、茨城県の汚染状況はイマイチはっきりしませんが、2017年11月時点での筑波山については、それほど問題のない空間線量であることがわかりました。筑波山の南側を走るフルーツラインも観光地として有名な場所ですが、今回は時間がありませんでした。機会があれば、測定してみようと思います。
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