日光市 足尾銅山周辺

測定日:2017年11月5日 9:50~ 16:30 晴れ 東の風2m

測定地: 栃木県日光市足尾町通洞9−2(足尾銅山観光)

測定方法 HSF-1(シンチレーション)、地上高5cm を歩行による移動測定、地上高5cm・50cmの定点測定

移動測定 平均空間線量 0.148 μSv/h


足尾銅山観光  移動平均 0.120μSv/h

足尾銅山にくれば、最初は100%訪れる場所と思われます。トロッコにのって坑道へ江戸~昭和の鉱山採掘の様子が、等身大の人形によって展示されています。ここは小中学校の遠足や修学旅行のコースになっているようです。坑道を抜けたあとちょっとした広場の空間線量はやや高めでした。


《 定点測定 》

車を降りたら、いきなりアラームが鳴り出しました。草地の空間線量はこんな感じですが、駐車場のアスファルトの上は0.1μSv/h前後になります。ここでは、できるだけ舗装道路を歩いたほうが安全です。

 坑道の展示を抜けて屋外にでたら、いきなり空間線量が上がります。落ち葉が掻き揚げてありました。ここにはセシウムがたまっているようです。

 坑道内の空間線量は0.1μSv/h前後ですが、これはトンネルの岩の自然放射線の値です。

 坑道を出たあとの広場、わずかにある草地ですが、セシウムが濃縮しています。ここに雨水が集まるのでしょう。埼玉なら除染基準越ですが、日光市はどうでしょう? 除染基準を超えているようでしたら、通報します。ただいま、他の場所を通報中です。

 ここも坑道出口前の広場。隅っこではありません。ここを訪れる子どもたちが必ず通過する場所。ベンチに座るかもしれません。なんでもない踏み固められた土にセシウムが濃縮しています。


《足尾環境学習センター》 移動平均0.146μSv/h

 駐車場から橋を渡って入場するのですが、その橋からの景観です。砂防ダムからの流れ落ちる水の景色が見事です。学習センターの前は銅親水公園、芝生と桜の公園です。

 きれいに整備され、水と山に囲まれた美しい公園ですが、それと裏腹に空間線量は非常に高い。砂防ダム際は一直線にホットスポットです。

《定点測定》

銅親水公園から階段の道があります。階段を登りきると砂防ダムの堰堤となり、ここに集まる3つの川の河原が見渡せます。その堰堤の道を進むとしばらくして行き止まり、そこで測定しました。草を払った後はありますが、ほとんど人の入らない場所ですが、遠足の子どもたちなら、ここまで来るかも知れません。

銅親水公園の芝生地、訪れた人たちがあちこちのベンチでお弁当を広げていました。私たちもここでお弁当を食べました。通常であれば、もっと線量の低いところで食べるのですが、ここでは選択の余地がありません。こうした環境にもだんだん慣れてきたのかもしれません。

堰堤下のホットスポットです。堰堤のコンクリートの自然放射線の影響も考えられますが、グラフのセシウム137のピークを見ると尋常な値ではありません。土壌汚染は数千Bq/kgが予想されます。子供たちは芝生の斜面を駆け上り、ここで追いかけっこすることでしょう。この堰堤に沿ったラインはずっと同じような線量です。


《舟石峠駐車場》 移動平均0.121μSv/h

 舟石峠の細い道路を車で登りました。どこか測定できるような広場でもないかと探しましたが、結局この駐車場しかありませんでした。周囲の山の登山道の出発点のようで無人の車が何台か駐車していました。

 この周辺の山は、鉱毒の煙害の被害は小さかったのでしょうか、禿山ではなく、木々がきれいに紅葉していました。この駐車場にはホットスポットもありませんでした。

展望台のような場所ですが、駐車場の一部です。足尾の山並みの後ろは日光の山並みでしょうか。線量はやや高めですが、特に線量の高い場所を選んだわけでもありません。


《銀山平キャンプ場》 移動平均0.179μSv/h

温泉や国民宿舎があって、観光客が集まる場所のようです。入口には「銀山平公園」の標識が立っています。10棟ほどのロッジ(バンガロー)と、炊事施設がありました。ここの空間線量はかなり高く、0.1μSv/hにセットしたアラームはずっとなり続けました。

写真9・10は駐車場の西側のライン、たまり土の上に芝が生えたのだと思います。セシウムがたまりにたまっています。この2箇所については、日光市に通報、除染もしくは清掃をお願いしました。が、日光市からは今だ(11月17日現在)回答はありません。

炊事場の前の芝生地です。空間線量の高低はありますが、この芝生広場はどこも0.1μSv/h以上です。


《まとめ》

 足尾銅山周辺の4箇所の観光地を測定しました。どこを測ってもだいたい同じような線量で、これ以上調査しても結果は同じだろうということで、測定を終了しました。

 修学旅行や遠足のコースになっているようです。足尾鉱毒事件を学ぶための教育的価値は高いと思います。不毛の山と化した足尾の山で植林体験をする学校もあるといいます。そうした公害や環境への意識と放射能問題への意識には、あい通ずるものがあるように思いますが・・・・・・。


日光市 その他の測定ポイント