秩父市 栃本広場

測定日:2017年6月7日 12:14~14:54  晴れ  北東の風2~4m

測定地:埼玉県秩父市大滝 栃本地区

測定方法:地上高5cm を歩行による移動測定、地上高5cm・50cmの定点測定

移動測定 平均空間線量 0.071μSv/h     

2014/10/19に滝本広場の一部を測定しています。そのときは地上50cm高の測定で平均0.078 μSv/hでした。今回は広場全体を測定しています。 秩父の他の公園と比べると、0.01~0.02μSv/hほど空間線量が高くなっていますが、極端に高いというわけではありません。西端にある駐車場と自由広場の空間線量が高いようですが、地形的に見るとここが最も低い場所で、セシウムがたたまりやすい場所のためだと思われます。


《 定点測定 》

写真1・2はともに駐車場の角です。こうした場所にはセシウムがたまりやすいわけで、周囲の汚染状況や清掃のやりかたによって左右されます。写真2は縁石の上の芝生地です。大雨が降ると駐車場の水があふれるのでしょうか。かなりの濃縮です。土壌の検査はしていませんが、1000Bq/kg以上は確実です。秩父市・埼玉県の除染基準以下なので、きっちりとした清掃でもしない限り、このままの状態かと思います。時間が経てば濃縮が進んで、除染基準以上になる可能性のあるポイントです。

ここもやや高めの空間線量ですが、簡易的な土壌測定では約450Bq/kg。空間線量には、自然放射線も影響しているかもしれません。

山道を歩いていると0.1μSv/h以上に設定したアラームが鳴ったので測定。上のグラフを見るとあきらかにセシウム由来です。ここは雨水の溜まりやすい場所なのでしょう。栃本広場の他の山道は0.05~0.06μSv/h前後だったと思います。

写真5と写真6は至近です。セシウムか自然放射線か、山間部の測定ではなかなか判断がつかず、こうした測定になります。写真5は東屋の屋根の下、雨水がたまる場所です。こうした場所にセシウムがたまるのは当たり前なのですが、写真6は通路の真ん中の土の上で、それなりに空間線量も高い。それぞれのグラフのセシウム137のカウントほぼ同じで、18~19、ここは尾根部分なので水の流れやすい場所です。それでも一定のセシウムがあるようです。写真6のポイントの簡易的な土壌測定の結果は1180Bq/kgでした。

むき出しの岩を測定してみました。岩のそばに空間線量をちかづけると、線量が上がります。0.104µSv/hは土壌のセシウムと岩の自然放射線の合計値、岩が空間線量を倍以上にしています。

森の中の広場、といってもあまり人の来ない場所かもしれません。セシウム137のピークは見えますが、栃本広場の中では空間線量のもっとも低いエリアです。

栃本広場の最東端、げんきプラザ側からくるハイキングコースの入り口です。往復3時間のコースですが、ここにたどり着くまでにすでに2時間を経過しています。空間線量は非常に低いのですが、上のグラフではちゃんとピークが見えます。セシウム汚染が全くないわけでもありません。


《まとめ》

 げんきプラザから栃本広場、往復ハイキングコースの測定の一環として、栃本広場は3時間ほど園内を歩き回りました。最初の説明で書いたように、秩父市全体からみれば、空間線量は微妙に高いようです。しかし、同時平行的に群馬県北部の測定もはじめたのですが、沼田市「21世紀の森」などと比べれば、なんでない空間線量に思えたりもしました。

 セシウムは高い所から低い所へと移動します。大滝地区の地形的条件、急峻な山と谷、測定するのは圧倒的に谷側であり、谷の少し平らな場所ということになります。それが微妙に高いことの理由のひとつになるかも知れません。


秩父市 その他の測定ポイント

羊山公園・ミューズパーク・大滝元気プラザ~栃本広場・滝沢サイクルパーク・中津峡森林科学館周辺 

 

※秩父市の除染基準   面的0.23μSv/h(1m高、50cm高)、局所的1.00µSv/h(1cm高)